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【記事訳】インタビュー キム・テウォン「親友3名を天へ送った後しばらく引きこもった」 [Boohwal 2018]

3年ぶりに新曲「」を発表したプファルのリーダーキム・テウォン氏のインタビュー記事を見つけたので日本語訳をしてみました。大衆は音楽人に対して常に新しい曲を欲しがるようですが、期待に応えようとする音楽人の苦悩は計り知れないものがあるのでしょう。長い時間をかけてようやく公開された新曲「花」について、またテウォン氏自身についての興味深い内容のインタビューでした。
  
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時事ジャーナル > LIFE > Culture 2018.02.25

キム・テウォン「親友3名を天へ送った後しばらく引きこもった」

 [インタビュー] 3年ぶりに新アルバム「花」をもってカムバックしたプファル キム・テウォン

ハ・ウンジョン ウーマンセンス記者 
承認2018.02.25(日) 14:00:00 第1478号


先に言っておくが、キム・テウォンは記者が贔屓にするインタビュイー(interviewee)だ。彼との対話は簡潔だが深くて濃い。そんなわけで最後に彼に会ったのが7年前くらいだろう。再び出会った我々は大仰な挨拶も、雰囲気のいいインタビューのための「前哨戦」もなかった。

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画像=ソウル文化社提供 


― しばらく引きこもっていましたね ―

「2014年頃、何もかもうまくいかず、何もしませんでした。しないというのは心境が崩れていることを意味するんです。ボーカルのチョン・ドンハが脱退して精神的に大変だったし、健康も損ないました。それで家から出ませんでした。2014年の末に新ボーカルキム・ドンミョンを迎え入れ、シングルを出しましたが結果が良くありませんでした。ガタガタだったのです。」

 *キム・ドンミョン氏を迎え入れたのは2014年の夏だったはずですが...(訳者註)


― 大衆の評価に悄然としているようですが… ―

「やっとのことで出したアルバムが愛されない時は数年がつらいものです。帆のない船に乗っている感じでしょうか。帆があれば風にでも動き、櫓があれば櫓でも漕ぐのですが、そんなものが最初からない、ただ浮いているだけの状態でした。私は大衆の反応に非常に敏感な人間です。」


― 新アルバム「花」が出ました。どんな曲ですか ―
 
「この30年間、私が生きてこれた理由が隠喩されています。その時間を振り返ってみると、私が自分自身を生かす場合はなくて、危機に陥るたびに誰かによっていつも助けられました。私は放置しておくと消える確率の高い、自らによく負け、諦めることもよくやる人です。そんな人が音楽をやる場合には命を懸けて作ります。新曲に対する説明はここまでにします。作家の弁は虚しいですから。」
 

― なぜ音楽をするのですか ー
 
「愛されるために。ある人は大衆の反応に超越したとも言いますが、私の個人的な考えでは、それは観客を無視することです。私は自分が崩れるとしても大衆の愛を期待します。大衆は本物を正しく見抜きます。人気を集めるため、イメージ管理のために書く歌詞とメロディーは大衆が知っています。ただ自分のソウル(魂)をそのまま書けばいいのです。自分の話ですが、彼の話にもなり得る話です。でもそれがどうして容易でしょうか?それだけの苦悩、苦痛、葛藤、孤独が含まれているのです。」


― 音楽の作業をする間、人に会わないのですか ー

「ほとんど。私にはとんがった所があります。人々が私のことを気まずく思うのも感じます。」


― 自ら気まずいのではありませんか ―

「そんなことありません。私はとても寂しがりやです。けれどもでたらめな話をする酒の席には座りません。酒が入らなくても最後まで興味深い話をできる人に会います。酒が話をするような場、そういう出会いは2回以上しません。それで人とだんだん会わなくなるのです。ユーモアでも深みのあるユーモアがいいですし、音楽の話をすると誰よりも深く入ります。」


― お気に入りの飲み友達はいますか ー

「何人かいましたが、ここ数年で亡くなって…そうですね。電話が一日に一本も来ないし、一本もかけません。電話する間柄が4人いましたが、3人が亡くなりました。数年間、私が完全に停止した理由の一つが友人の死でした。シン・ヘチョル氏もそのうちの一人でしたし。今は放送局で音楽監督をする30年来の友人が唯一です。」


― 死、いつも考えるテーマですね…. ―

 「死そのものは怖くありません。サヌリムの「独白」という歌のように、別れるのが怖いのです。私がとにかく険しく生きてきました。長生きしたい欲もなく、ただ生きている間は最善を尽くして音楽を作り、また家族のために生きるという考えです。」


― 一人でお酒を飲んだりもしますか ー

「たまにワインを飲みます。おつまみはリンゴ、チーズ、ピーナッツなど家にあるものを適当に。おつまみはそれほど食べません。食べすぎるとお酒が気持ちよく入ってこないからです。」
 

―『男子の資格』で一緒に出演したイ・ギョンギュ氏とは連絡をとっていますか ー
 
「だいたい夜中に連絡が来ます。酒に酔って(笑)。翌日になると覚えてないんですよ。彼も昼間に心が晴れ渡っている時は誰にも電話をしない人です。お酒を飲むと気分がよくなるから昔の人を思い出すのであって、その際思い出すのが私みたいです。大丈夫でしょう。」
 

インタビューの途中で咳をした。止めたはずのタバコをまた吸っている様子だ。
 

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画像=ソウル文化社提供 


― フィリピンにいる家族の様子も気になります ー
 
「妻と息子はフィリピンで暮らし、娘はアメリカにいます。今年17歳になった息子はぐんぐん大きくなっています。学校へ行くのが好きで、レゴ、ドラム、ギター、水泳が好きです。一日のスケジュールがびっしりです。」
 

― 家族と離れて暮らす生活はどうですか ー
 
「平気です。恋しく思えるのがいいのです、もちろん自分自身といつもケンカしなければいけないという短所はあります。その孤独が酷いのは確かです。」
 

―『美しい』という表現をよく使っていた覚えがあります。詩的な表現を日常で使う姿が印象的でした ―
 
「私は美しいという言葉だけ使いたいです。そうしてこそ美しくなります。最初から美しい人はいません。良い言葉を使い、良い考えを持てばいつかはそうなるでしょう。中学校の時にギターを始めてから低俗な言葉は断ちました。自分なりに約束したのです。腹もあまり立てません。長らくそのように暮らしてみたら腹の立つことがなくなったんです。頭にきても過激な言葉を吐きません。醇化された言語で、キツく言うだけです。寸鉄殺人と言います(笑)」


― 気になることがあります。夫婦喧嘩はしますか ー
 
「たまにしますが、私が負けます。負けてあげるのでなく、はっきり負けます。勝負は本気度で決まりますが、私より本気度が強いです。その瞬間に勝とうとする者が負けるわけです。」
 

― 毎日日記を書くというのを覚えています ー
 
「大げさなことでなく、自分の考えを記録する程度です。文を書くとその文章が自分の頭の中に蓄積されます。一種の言語辞典になります。刻印されるので適時適切に飛び出すのです。」
 

 ― 以前会った時、座右の銘が『はばかることなく行け』でした。最近は何ですか ー
 
「『今生きている。』今を生きるのが最も大事ですから。現在と未来を計算しないで今を受け入れること、今現在を忠実に暮らすとよい未来を迎える確率が高くなります。それで私は、今を生きています。」
 

― キム・テウォンのファッションで最も重要なことは何ですか ー
 
「普段は今日のようなブラックをよく着て、ステージに上がる時はレッド・イエロー・フラワーのプリントなど派手な色を好みます。そして私の身長が175 cmくらいですが、靴のヒールで180㎝くらいに合わせます。」
 

― いつもサングラスをかけている理由は何ですか ー
 
「ただ度数が合う眼鏡を作って、色を入れただけです。相手をつぶさに見つめるのもエネルギー消費になりますから。じろじろ見ると失礼にあたりそうですし。視線を別のところに置いても耳だけ傾けると心が通うと思います。何と言うか、視線をどこに置いてもいい自由。視線を別のところに置くとむしろ考えるのに好都合です。対話する際もより深く考えるようになり、慎重に言葉を選ぶようになります。」
 


こうしてインタビューが終わった。7年という歳月の間、我々は微妙に変化したし、それが妙に物悲しくもあった。彼との5回目のインタビューは以上であった。


(日本語訳:花かんざし)

どうやら上のインタビューは一部抜粋のようです。
インタビューの長文はこちら↓「ウーマンセンス」で読めます。
http://www.smlounge.co.kr/woman/article/37658

新曲「花」の歌詞訳はこちら↓
http://papercascade223.blog.so-net.ne.jp/2018-03-07


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