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2017年 春の韓国旅行 その2(昌徳宮 後苑) [韓国旅行]

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昌徳宮は自然の美しさを感じられる広々として静かな空間でした。以前3月に訪れたときは、時折小雪がちらつく天気で、手袋をしていなかったので手が寒いと感じたことを覚えています。木々も冬枯れしていて寒々しい印象しかありませんでしたが、今回はひと月だけ季節が動いただけなのに、色とりどりの花木や若葉が美しく、また以前から比較すると歴史ドラマをきっかけにして歴史についての知識も多少増えていたので、昌徳宮に対する興味度合いも全く違っていました。その上韓国ドラマ「雲が描いた月明かり」のロケ地でもあるので、撮影地を見つけ出す目的と楽しみもありました。


韓国旅行 その1(ソウル到着~昌徳宮前半)は↓

昌徳宮のHP↓
http://www.cdg.go.kr:9901/ 
情報満載です~~

「私の手の中の王宮」というアプリもあります
http://m.cha.go.kr/html/mobile_app/index.jsp

HPからはガイドブックもダウンロードできます~
http://www.cdg.go.kr:9901/cms_for_cdg/show.jsp?show_no=17&check_no=2&c_relation=32&c_relation2=94


「雲が描いた月明かり」で注目を集めている実在の人物孝明世子(효명세자/ヒョミョンセジャ)に関する記述も多いです。ちょっと抜き出してみます~~
叶わなかった改革政治の夢、孝明世子 煕政堂は純祖(23代王)の息子で憲宗(24代王)の父である孝明世子が崩御した所でもある。端麗な容姿と聡明さは勿論、本が好きな姿まで祖父である正祖(22代王)に似ていたと伝えられる孝明世子。純祖の命令で19歳で代理聽政(摂政)を務めた孝明世子は安東金氏の勢力に対抗して、斬新な人才を登用し、改革政治を繰り広げた。しかし、父の希望、祖父の理想、そして朝鮮の民たちの念願を果たすことができないまま、22歳の若さで夭折したのは政務に就いてわずか3年3ヶ月後であった。孝明世子は後苑に小さな書斎である倚斗閤を建てて、ここで読書を楽しんだ。
(日本語版昌徳宮ガイドブック8ページより)

「雲が描いた月明かり」のことは旧ブログで色々書いていました~↓

前置きが長くなりましたが、ここから旅のレポートのつづきです
後苑観覧の最後の回はフリー観覧でした。
ガイドさんによる解説を聞きながら見学したい人は入口に残って、 自由に見学したい人は先にどんどん進みます。

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楓の木がたくさんありました。秋の紅葉もきっときれいなのでしょうね。



◆芙蓉池と宙合楼◆

芙蓉池(부용지/プヨンジ)に来ました 

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後苑の代表的な空間で学問と教育の場として科挙の試験も実施された場所だとか
四角い池とその中の丸い島が特徴的です。 当時の人々は天は丸く、地は四角いと信じていたので、 地を象徴する四角い池の中に天を象徴する丸い島を作ったそうです。
 

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芙蓉池に少し張り出して建てられた芙蓉亭(부용정/プヨンジョン) 。この建物は韓国ドラマ「雲が描いた月明かり」では書庫として登場しました。


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「雲が描いた月明かり」第5話より

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暎花堂 (영화당/ヨンファダン)は王が立ち会う特別な科挙試験が実施された場所
 ここもドラマの撮影に使用されました。

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「雲が描いた月明かり」第2話より
中殿の懐妊を祝う宴が領政の屋敷で開かれるため、臣下たちは参内せずにいるのに、
何もできない父王の姿を見てため息をつくヨンの場面です

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ちょっとした休憩スペースになっています

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ツツジ(躑躅/철쭉/チョルチュク)

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芙蓉池を取り囲むようにして立っている芙蓉亭(左)と
四井記碑閣(사정기비각/サジョンギビガク) (右)

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魚水門(어수문/オスムン)とその後ろに二階建ての宙合楼(주합루/チュハムヌ)
魚水門は芙蓉池の魚が門をくぐると龍になるという意味があるようで。
宙合楼の一階は奎章閣(규장각/キュジャンガク)かつての王立図書館。 二階は閲覧室だったそうです


◆愛蓮池と倚斗閣◆

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芙蓉池からまた通路を進むと「金馬門」がありました
門のところに「観覧方向⇒」という看板があるので、みんな素通りしていきますが、なんだか資料で見た気がしたので、写真だけ撮っておきました。
「金馬門(금마문/クムマムン」の「金馬」とは王世子を意味する言葉。
門をくぐると孝明世子が読書をした倚斗閣が見えます

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寄傲軒(기오헌/キオホン)

寄傲軒という扁額がかかっていますが、もともと倚斗閣(의두각/ウィドゥガク)という名称でした。この建物も孝明世子が建てたもので、ここで読書を楽しんだそうです。
日陰で北向きに建てられているので、冬は雪が溶けない場所でしたが、孝明世子は好んでこの場所を訪れていたとか。 寄傲軒や倚斗閣という建物の名称も色々深い意味がありそうです~
ちなみに、孝明世子の祖父は正祖(イ・サン)にあたります。

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その右隣の小さな建物は韻磬居(운경거/ウンギョンゴ) 
昌徳宮で一番小さな建物で、建物の土台部分に穴が開け通気性を良くして楽器や本を保管していたそうです。

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つづいて「不老門」が現れました 

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不老門(불로문/プルロモン)は一枚岩をコの形にくりぬいて建てたもので、昔は扉もあったそうです。もともと王の長寿を願って作られた門で、くぐると老けないと伝えられているとか。私も2,3度門を行ったり来たりしました。
 
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中に入ると、こちらも池と東屋がみえます。

池は愛蓮池(애련지/エリョンジ)、東屋は愛蓮亭(애련정/エリョンジョン)
蓮の花が好きだった粛宗が1692年に作って名付けた池と東屋です。 

この辺りで、後ろからやってきたガイド案内コースの人々と合流というか、吸収されました。

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観覧池(半島池)

この場所で皆が一斉にカメラを取り出し撮っているので、どこが見どころなのか不明のままとりあえず撮りました。 昔は丸や四角の小さな池3つだったのが、1900年ごろに一つの曲線の池になって「観覧池(관람지/クァルラムジ)」とよばれているそうですが、池の形が朝鮮半島にも似ているので「半島池(반도지/パンドジ)」ともよばれているようです。

池に沿って進んでいくと、いくつかの建物が出てきました。


◆尊徳亭一帯◆

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池をさっきと逆の地点から眺めたところ
池に張り出している扇形の東屋がありますが、これは観覧亭(관람정/クァルラムジョン)

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尊徳亭

尊徳亭(존덕정/チョンドクジョン)は屋根が二重になっている建物
正祖の文と龍の天井絵がチェックポイントだとか。
後で画像をよくよく見て気が付いたのですが、 ここも「雲が描いた月明かり」の撮影地でした。

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「雲が描いた月明かり」2話より

領政の回想シーンとして2話、17話に出てきた幼いヨンたちが遊んでいるところを人相占いをさせた場所
特徴のある二重屋根の尊徳亭と扇型の観覧亭が見えます

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訪れたことのある人ならドラマを観てすぐに気がついた?

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ロケ地探しも楽しいです~

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砭愚榭(폄우사/ピョムサ)

この建物も孝明世子が読書をするために建てたもの。小説「雲が描いた月明かり」に登場した場所です。
建物の名称は「愚かさを正す」という意味があるとか。元々はL字型だったが、現在は一文字の形になっていますす。

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建物の前に並べられた飛び石は、ハの字に並べられていて、幼い世子がこの石の上を歩いて威厳ある歩き方を練習していたとか。 この説明も小説「雲が描いた月明かり」に書いてありました。

韓服を着て拡声器を持ったガイドさんの説明も聞こえてきますが、やはり難しいですね~
ほとんどよくわかりませんでしたが、「孝明世子」や「雲が描いた月明かり」、それに「パクボゴム氏」という単語には敏感に反応しました~

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ちょっと小高いところにある勝在亭(승재정/スンジェジョン) 

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宮殿といえば「カササギ(까치/カッチ)」

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自然の地形をそのまま利用した新緑のまぶしい木々の間の坂道を進み、玉流川一帯へ


 ◆玉流川一帯◆

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玉流川(옥류천/オンニュチョン)の御井(어정/オジョン)
川の水が大きな岩(逍遙岩/소요암/ソヨアム)の側面をまわって中央から滝のように落ちる造りになっていて、岩には粛宗の五行絶句が刻まれています。写真ではよく見えませんが、岩には曲水の宴ができるような細い溝が掘ってあります。 

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粛宗の五行絶句

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「玉流川」の三文字は仁祖が書いたもの

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藁ぶき屋根の「清漪亭(청의정/チョンイジョン)」
その横には田起こしした小さな田んぼがあります。王がここで稲を育てていたとか。

今年の田植えは5月18日に外国人観光客も参加する田植え体験イベントとして実施されたようです。 http://www.newsis.com/view/?id=NISI20170518_0013019852

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太極亭(태극정/テグクチョン)

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籠山亭(농산정/ノンサンジョン) 

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正祖が好んでよく訪れた場所だとか。

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つつじ(철쭉/チョルチュク)が至る所で咲いています
韓国のつつじは枝に花が咲いてから葉が出てくるようです。
チンダルレとは花びらの形が違うのでつつじ(철쭉)の方だと思います

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日本のつつじのように刈り込んだりせず自然な感じですね。

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紫、赤紫、朱色などの花がありましたが、私はこのピンク色がお気に入り♪

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これは山吹(황매화/ファンメファ)ですね


◆演慶堂◆


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長楽門(장락문/チャンナンムン)

門の前に川が流れ石橋を渡ったところに門があります。 橋の手前には奇妙な形の岩石(怪石/괴석/クェソク)が台座の上に置いてあります ここも風水的な意味がたくさん隠れていそうな雰囲気

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門の手前に咲いていた八重咲のつつじ

演慶堂(연경당/ヨンギョンダン) は、孝明世子が父純祖のために建てた建物。 当時は士大夫の屋敷ように建てるのが流行していて、王宮の中にあるのに丹青(彩色)をほどこさず素朴な感じになっています。士大夫の屋敷は99間という制限がありましたが、ここは120間もあるとか。 1827年に建てられましたが、当初はコの字型で王権強化の歌舞による公演を開いていたとか。 今の建物は1865年ごろに高祖が建てたものだそうです。

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こちらは使用人たちが泊まった部屋

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舎廊棟(사랑채/サランチェ) 男性が使った場所だそうです
この建物の横にも怪石が4つ置いてあります 

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舎廊棟の横には善香齋(선향재/ソニャンジェ)という書斎があります

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善香齋は煉瓦を使っているのと
西日が入るので日よけの滑車式サンバイザーが設置されているのが特徴
建築設計に興味のある人にとって興味津々の建物だとか

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善香齋の隣奥には濃繍亭(농수정/ノンスジョン)

階段のところに立ち入り禁止の表示があったので、下から写真を撮っただけですが 尊徳亭一帯にあった勝在亭と似てます

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こちらは女性が使ったアンチェ(안채/母屋) 

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ピンクのつつじ(철쭉/チョルチュク)~

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これは梨の花(배꽃)のようです

舎廊棟の前の広場でガイドさんの説明があり、またまた「孝明世子」「雲が描いた月明かり」「パクボゴム氏」の単語に反応します~ そしてここで解散になりました。 本当はこの後、早く帰りたい人、ゆっくり見学したい人など目的に合わせて帰り道が二手に分かれるのですが、この時は見学終了時間の関係上、苑内の係員に案内されて全員まっすぐ出口へ向かいました。

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カエデの花 

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병꽃나무(ビョンコンナム/コウライヤブウツギ) 

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この白い花は何かしら? 

花木を眺めながら出口へ向かいます

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何がどうなっているのかわからないの樹齢750年にもなる
イブキ(円柏/향나무/ヒャンナム) 

향나무は香りの木という意味、香りが強いので祭祀で香りを焚く材料になったそうです
これで見学終了です。
時計を見ると17時半 ちょうど2時間かけて見て回りましたが、一般観覧部分が急ぎ足だったため、楽善斎を見ることができませんでした。また隣接する昌慶宮にも行ってみたかったです。
後苑も、後になって見どころを逃していたことに気付いた箇所もいくつかありましたし、じっくり見ていくと本当に奥が深い場所ですから、また機会があれば是非、今度は秋に行ってみたいです~~


旅はまだまだ続きます。
翌日は全州へ行きました~

その1(到着~昌徳宮 前半編)

その3(全州~殿洞聖堂、慶基殿)

その4(全州~全州郷校、梧木台)

その5(ソウルウォーキングツアー 漢江・切頭山) 

その6 (ショッピング&グルメ) 〈終〉

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